【山陰中央新報】(10/28) 明窓 アネクドート - TopicsExpress



          

【山陰中央新報】(10/28) 明窓 アネクドート  アネクドートと呼ばれる旧ソ連時代の小話がある。その一 つ。酔った男が街で書記長の名前を挙げて「ばかだ」と叫び逮捕された。元首侮辱罪などで懲役刑を受けたが、一番重かったのは(本当のことを漏らした)国家機密漏洩(ろうえい)罪だった▼他国を笑っていられない。特定秘密保護法案が国会に提出された。安全保障に関わる機密の漏洩に対する罰則が最長で懲役10年に強化される。防衛、外交とスパイ、テロ活動の防止が対象になるが、定義や範囲にあいまいさを残す▼同盟国との信頼関係を保つには情報の保全は欠かせない。ただ国会議員の活動が縛られ、厳罰化による萎縮が取材・報道の壁になりかねないようでは「知る権利」が保障されたとは言えない▼安倍首相の大叔父になる佐藤栄作内閣の時、自衛隊の「三矢研究」が国会で暴露された。アベノミクスの三本の矢とは違う。朝鮮半島有事やソ連の侵攻に備えた国家総動員体制の模索だ。当時の防衛庁長官は小泉元首相の父。因縁めいた巡り合わせだ。研究をなぞるように小泉政権で有事法制ができる▼そんな追及は難しくなる。何かさえ知らされない特定秘密が5年ごとに更新され、30年目に内閣が承認すると延長される。「悪いようにはしない」は、この国の常套句(じょうとうく)だが、密約など不都合な情報は隠され、永久にフタをされかねない▼論語の「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」を都合良く解釈し、為政者が情報を独占管理する「アンダーコントロール」は世論統制の危うさがにおう。 (己) sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=542072034
Posted on: Mon, 28 Oct 2013 03:52:04 +0000

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